■「「ネクタイは文化」日本ネクタイ組合連合会会長・小堀剛氏」
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環境省が今年4月27日に発表した「クールビズ」運動。地球温暖化防止国民活動「チーム・マイナス6%」の活動の一環で、夏のオフィスの冷房設定温度を28度にするため、涼しく効率的に働くことができる「夏の軽装」を推進する運動だが、ネクタイ業界では、その運動の影響を受け、打撃を受けた。そこで日本ネクタイ組合連合会会長(三松商事社長)の小堀剛氏に、ネクタイ業界を取り巻く現状や、今後の取り組みなどについて聞いた。
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| ―政府が推進しているクールビズ運動の影響が深刻だそうですね。 |
| 「深刻です。百貨店のネクタイ売り場の売上高は、今年の5月まで前年比並で推移してきましたが、(クールビズ運動が本格化した)6月に入り、10%近く落ちています。特に(年間で一番の稼ぎ時である)父の日の売り上げの落ち込みが大きく、前年比で10〜15%のダウン。当社の売り上げも最悪だった前年比で5%ほど落ち込んでいます」「カジュアルフライデーなどの推進で、ここ10年間、市場規模が縮小。また中国勢の台頭により、国内メーカーの売り上げは、ここ10年で大幅に減少しました。売上高で言えば100円ネクタイの登場などもあり、3分の1程度に縮小しています。そうした中でのクールビズの推進の影響は大きい。楔を打たれたような感じです。ネクタイ業界は多品種少量生産の世界で中小企業が多い。組合企業(日本ネクタイ組合連合会=60社)の中には、将来に対して希望が持てなく廃業を考え始めたところが数社出てきているという状況です」 |
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| ―日本ネクタイ組合連合会では6月8日、国にクールビズ運動の要望書を提出しました。 |
| 「クールビズは、地球温暖化防止国民活動、チーム・マイナス6%の活動の一環で、夏のオフィスの冷房設定温度を28度にするため、涼しく効率的に働くことができる夏の軽装を推進する運動であると認識しています。こうした運動に反対している訳ではありません。問題なのは、小池百合子環境大臣の『ノーネクタイ、ノー上着で体感温度が2度下がる』『男がネクタイをはずせば女性のひざ掛けがいらないオフィスになる』『不妊が減る』といった、ネクタイを敵視、排除するかのような発言です。大変残念な発言であり、撤回を求めたのです。ノーネクタイで体感温度が2度下がると言うのは、個人差を考慮していませんし、科学的根拠もありません。ましてやノーネクタイで不妊が減るというのは、少子化の原因がネクタイにあるかのように受け止められる発言です。それと、父の日(6月第3日曜日)は、ネクタイ業界にとって、最も書き入れ時。6月は寒い日もあるのですから、クールビズのスタートを、せめて7月からにして頂けないかと要望致しました」 |
| ―クールビズ運動そのものに反対ということではないのですか。 |
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| 「ネクタイは柄や色が豊富なネクタイは、ビジネスマンにとって、数少ない自己表現するためのアイテム。TPO(時、場所、場合)に合わせて、締めたり、外したりすれば良いと思っております。例えば、寛いだ会議では外していても、その後、重要な相手に会う時、自分に一番似合ったネクタイをして、好印象を持ってもらう。また、夜の飲み会であれば、遊び心のあるネクタイを締めるといった具合です。ネクタイはただ、『暑いから外す、寒いから締める』というものではありません」 |
| ―引き続き厳しい経営環境が続いていくと予想されますが、組合として今後どのような活動を展開していくのでしょうか。 |
| 「当面は、10月1日のネクタイの日に向けて全力でキャンペーンを張っていく予定です。同時に、年間を通して『ネクタイはTPOに合わせて締めるもの』であることを売り場などでキャンペーンしていく予定です。具体的には『ネクタイを締める父親と子が触れ合うシーン』『ビジネスシーン』などの写真を毎月売り場に張ります。そして、ネクタイを締めた様々なシーン(TPO)をPRしていこうと考えています。このほか、ネクタイは寒いから締める、暑いから外すという機能を重視した商品ではなく、色、柄、さらに締め心地を楽しむことができるもの――いわば文化であることを強力に発信していきたい。要望書を提出して以降、多くのメディアに関心を持ってもらいましたが、みな好意的に捕らえて頂きました。今後はもう一段好意的になって頂いて、ネクタイの文化について発信して頂けるように努力していきます(笑)」 |
| ―各社の自助努力も必要ですね。御社では何か取り組んでいますか。 |
| 「新商品やイベントをどんどん実行しております。例えば新商品。様々な時間、場所、目的に合わせられるよう、大手ブランドの名を冠した高級ネクタイ(ダンディズム)から、遊び心を取り入れたネクタイ(ファンイズム)まで、幅広い商品を随時発売しています。ファンイズムでは、親子のコミュニケーションを取れるよう、トヨタ自動車の名車をデザインしたネクタイとブリキの玩具(車)をセットにした商品を今年3月に発売しました。今後は新規販路としてトヨタ系列のディーラーで取り扱うことも計画しています。また名鉄電車と組んで、愛・地球博で利用されているリニモ(リニアモーターカー)をかたどったネクタイを発売しました」「昨年2月から、社員全員に、感じたこと(アイデア)を忘れないうちに書いてもらう『微動感知メモ』を携帯させるなど、旬な情報収集の強化にも力を入れております。現在、新しいことに10挑戦しても7つは外れていますが、今後も、どんどん新しい新商品、イベントに挑戦していきたいですね」 |
| ―クールビズに対応したネクタイも発売されましたね。 |
| 「当社では、手の不自由な方向けに、紐でネクタイを締められるようネクタイを加工するサービスを提供してきました。料金は、1500円で、月に500名の方が利用しています。この加工ノウハウを活かして、首周りが“紐状”になっていて簡単に着脱できるネクタイ『Tie Hang(タイハング)』を7月1日に発売しました。当社は全国250店以上と取り引きしているのですが、100を超える店舗がタイハングを取り扱っており、ほぼ完売状態です。今後は、秋冬用として、毛皮や厚手のウールなど絞めることができない素材に、この加工を応用した、新商品を出す計画です。また、来年はクルービズ対応商品として、ポケットに突っ込んでもクシャクシャにならないネクタイ(ポケットチーフにもなるネクタイ)を販売する予定です」 |
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