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■「ベンチャー企業を支援」/有限責任中間法人日本エンジェルズ・フォーラム代表理事・井浦幸雄氏 (2008/05/08)
■「ネクタイは文化」/日本ネクタイ組合連合会会長・小堀剛氏(2005/07/06)
■「ベンチャー企業を支援」
有限責任中間法人日本エンジェルズ・フォーラム代表理事・井浦幸雄氏

個人投資家からベンチャー企業への投資を促進するために設けられた税制優遇措置――エンジェル税制――が拡充。2008年度から設立3年目までなどの条件を満たすベンチャー企業に個人が投資した場合、1000万円を限度として寄附金控除(投資額を所得控除)できるエンジェル税制の拡充措置が導入された。投資時点での優遇措置を抜本的に強化することで、創業期のベンチャー企業への資金供給の円滑化を図る考えだ。今回の税制拡充はエンジェル投資家にどう影響するのか――。そこでスタートアップ期のベンチャー企業と個人投資家とのマッチングの場などを提供する、有限責任中間法人日本エンジェルズ・フォーラム代表理事の井浦幸雄氏にエンジェル税制拡充のポイントなどについて聞いた。
―今年度エンジェル税制が拡充され、所得控除制度が導入されました。
「この制度導入をキッカケにエンジェル投資家の投資意欲は高まると見ています。日本では1997年に創設されたエンジェル税制ですが、その適用企業は10年間で116社、投資額は67億6000万円にとどまり、スタートアップ期のベンチャー企業に十分な資金供給がなされているとは言い難い。エンジェル税制を導入している諸外国と比較して、投資家の税制面の支援が乏しいことがエンジェル投資家の投資意欲を下げていたのです」。「今回の所得控除の対象企業は、エンジェル税制の対象となる創業10年未満の中小企業のうち、創業3年未満で前年、前々年の営業キャッシュフローが赤字の企業です。このような条件を満たすベンチャー企業に投資した場合、所得税の納付額を圧縮できる寄付金控除の対象となります。上限は、総所得額の40%もしくは1000万円のいずれか低い方。例えば、1年間の総所得が700万円の個人投資家がベンチャー企業へ200万円の投資をした場合、投資家が株式売却益を得ているかどうかにかかわらず、200万円から5000円を引いた199万5000円の所得控除が受けられ、課税所得は500万5000円に圧縮されることになります。エンジェル税制の拡充によって諸外国の投資環境に近づけば、個人金融資産の一部がエンジェル投資に振り向けられる可能性があります。
―日本エンジェルズ・フォーラム(NAF)ではエンジェル投資家に関する実態調査も行っていますね。
「我々が行なった実態調査ではエンジェル投資家の平均年収は1000万円。1年間の投資額は年収の10分の1程度に抑え、生活に困らない範囲での投資を行なっています。エンジェル投資家には、自分で商売をされていた方や会社役員の方が多く、10年以上の投資経験をもっています。目利き能力をもった個人投資家が新しいビジネスに魅力を感じて100〜300万円を投資するケースが大半です。企業経営者の中には自分を育ててくれた社会への恩返しの意味をこめて投資する方もいます。今回の税制拡充は800〜2000万円くらいの所得層にはとても効果があると見ています」
―ただ創業期の企業への投資はリスクもあります。
「私も個人で数社のベンチャー企業に投資していますが、投資先が休眠会社になるケースもあります。エンジェル投資家の投資意欲を高めるためには税制面だけでなく、投資の受け手側である起業家のレベルアップも欠かせません」
―NAFではベンチャー企業やそれを資金面などから支援したいと考える個人投資家とのマッチングの場を提供しています。
「現在、2カ月に1度、「企業化・投資家お見合い交流会」を開催しています。専門家によるヒアリングなどの審査を通過したベンチャー企業が個人投資家に対してプレゼンテーションを行なうというものです。投資家の反応を見て、優秀な企業には後日、詳細なプレゼンテーションの場を提供します。場合によっては3000万程度の資金を集めることもあります」
―プレゼンテーションの場でエンジェル投資家はどこに注目していますか。
「経営者の実績や能力はもちろん、経営者が自社の経営状態を伝えるところです。財務諸表や事業計画を含むさまざまな企業情報を基にプレゼンテーションを行なう経営者は投資家の評判がよいです。当然、売上げが見込めないと判断されれば投資は見送られる。しかし一度のプレゼンテーションであきらめてはいけません。過去のプレゼンテーションでは投資を得られなかった企業が再度、プレゼンテーションを行ない、投資を得ることができたケースもあります。要するに企業のスタートアップ期は外部資金を当てにしなくとも自助努力でビジネスモデルを構築できることを投資家にアピールすることが重要なのです。設立1年目で盤石のオペレーションを構築し、その後、必要に応じて外部資金の調達を計画する。たとえばIT企業の場合。日本各地の名産品を扱うショッピングサイトを運営する計画を立てたとします。投資家へのプレゼンテーションの際は、事業段階に応じて必要な金額を提示する。計画性とロマンをもったベンチャー企業にはぜひ応援しようという気持ちになるのです」
―NAFは、全国のベンチャー支援団体を統合する役割も担っています。
「NAFが事務局となり、15の地域でベンチャー起業家とエンジェル投資家の橋渡しを行う『全国エンジェルズ・フォーラム連合』を設けています。最近は、地方企業が東京で開催される交流会に参加し、プレゼンテーションを行なうこともあります。地元の交流会だけでなく、多くの個人投資家が参加する東京の交流会でビジネスを評価してもらいたいという気持ちがあるのでしょう。日本経済の活性化のためにはベンチャー型企業が数多く設立されることが極めて重要との認識が高まっています。NAFとしては優良なエンジェル投資家を増やしていき、その支援で多くの成長型ベンチャー企業を支援世の中に送り出していきたいと考えています」
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■「「ネクタイは文化」日本ネクタイ組合連合会会長・小堀剛氏」

環境省が今年4月27日に発表した「クールビズ」運動。地球温暖化防止国民活動「チーム・マイナス6%」の活動の一環で、夏のオフィスの冷房設定温度を28度にするため、涼しく効率的に働くことができる「夏の軽装」を推進する運動だが、ネクタイ業界では、その運動の影響を受け、打撃を受けた。そこで日本ネクタイ組合連合会会長(三松商事社長)の小堀剛氏に、ネクタイ業界を取り巻く現状や、今後の取り組みなどについて聞いた。
―政府が推進しているクールビズ運動の影響が深刻だそうですね。
「深刻です。百貨店のネクタイ売り場の売上高は、今年の5月まで前年比並で推移してきましたが、(クールビズ運動が本格化した)6月に入り、10%近く落ちています。特に(年間で一番の稼ぎ時である)父の日の売り上げの落ち込みが大きく、前年比で10〜15%のダウン。当社の売り上げも最悪だった前年比で5%ほど落ち込んでいます」「カジュアルフライデーなどの推進で、ここ10年間、市場規模が縮小。また中国勢の台頭により、国内メーカーの売り上げは、ここ10年で大幅に減少しました。売上高で言えば100円ネクタイの登場などもあり、3分の1程度に縮小しています。そうした中でのクールビズの推進の影響は大きい。楔を打たれたような感じです。ネクタイ業界は多品種少量生産の世界で中小企業が多い。組合企業(日本ネクタイ組合連合会=60社)の中には、将来に対して希望が持てなく廃業を考え始めたところが数社出てきているという状況です」
―日本ネクタイ組合連合会では6月8日、国にクールビズ運動の要望書を提出しました。
「クールビズは、地球温暖化防止国民活動、チーム・マイナス6%の活動の一環で、夏のオフィスの冷房設定温度を28度にするため、涼しく効率的に働くことができる夏の軽装を推進する運動であると認識しています。こうした運動に反対している訳ではありません。問題なのは、小池百合子環境大臣の『ノーネクタイ、ノー上着で体感温度が2度下がる』『男がネクタイをはずせば女性のひざ掛けがいらないオフィスになる』『不妊が減る』といった、ネクタイを敵視、排除するかのような発言です。大変残念な発言であり、撤回を求めたのです。ノーネクタイで体感温度が2度下がると言うのは、個人差を考慮していませんし、科学的根拠もありません。ましてやノーネクタイで不妊が減るというのは、少子化の原因がネクタイにあるかのように受け止められる発言です。それと、父の日(6月第3日曜日)は、ネクタイ業界にとって、最も書き入れ時。6月は寒い日もあるのですから、クールビズのスタートを、せめて7月からにして頂けないかと要望致しました」
―クールビズ運動そのものに反対ということではないのですか。
「ネクタイは柄や色が豊富なネクタイは、ビジネスマンにとって、数少ない自己表現するためのアイテム。TPO(時、場所、場合)に合わせて、締めたり、外したりすれば良いと思っております。例えば、寛いだ会議では外していても、その後、重要な相手に会う時、自分に一番似合ったネクタイをして、好印象を持ってもらう。また、夜の飲み会であれば、遊び心のあるネクタイを締めるといった具合です。ネクタイはただ、『暑いから外す、寒いから締める』というものではありません」
―引き続き厳しい経営環境が続いていくと予想されますが、組合として今後どのような活動を展開していくのでしょうか。
「当面は、10月1日のネクタイの日に向けて全力でキャンペーンを張っていく予定です。同時に、年間を通して『ネクタイはTPOに合わせて締めるもの』であることを売り場などでキャンペーンしていく予定です。具体的には『ネクタイを締める父親と子が触れ合うシーン』『ビジネスシーン』などの写真を毎月売り場に張ります。そして、ネクタイを締めた様々なシーン(TPO)をPRしていこうと考えています。このほか、ネクタイは寒いから締める、暑いから外すという機能を重視した商品ではなく、色、柄、さらに締め心地を楽しむことができるもの――いわば文化であることを強力に発信していきたい。要望書を提出して以降、多くのメディアに関心を持ってもらいましたが、みな好意的に捕らえて頂きました。今後はもう一段好意的になって頂いて、ネクタイの文化について発信して頂けるように努力していきます(笑)」
―各社の自助努力も必要ですね。御社では何か取り組んでいますか。
「新商品やイベントをどんどん実行しております。例えば新商品。様々な時間、場所、目的に合わせられるよう、大手ブランドの名を冠した高級ネクタイ(ダンディズム)から、遊び心を取り入れたネクタイ(ファンイズム)まで、幅広い商品を随時発売しています。ファンイズムでは、親子のコミュニケーションを取れるよう、トヨタ自動車の名車をデザインしたネクタイとブリキの玩具(車)をセットにした商品を今年3月に発売しました。今後は新規販路としてトヨタ系列のディーラーで取り扱うことも計画しています。また名鉄電車と組んで、愛・地球博で利用されているリニモ(リニアモーターカー)をかたどったネクタイを発売しました」「昨年2月から、社員全員に、感じたこと(アイデア)を忘れないうちに書いてもらう『微動感知メモ』を携帯させるなど、旬な情報収集の強化にも力を入れております。現在、新しいことに10挑戦しても7つは外れていますが、今後も、どんどん新しい新商品、イベントに挑戦していきたいですね」
―クールビズに対応したネクタイも発売されましたね。
「当社では、手の不自由な方向けに、紐でネクタイを締められるようネクタイを加工するサービスを提供してきました。料金は、1500円で、月に500名の方が利用しています。この加工ノウハウを活かして、首周りが“紐状”になっていて簡単に着脱できるネクタイ『Tie Hang(タイハング)』を7月1日に発売しました。当社は全国250店以上と取り引きしているのですが、100を超える店舗がタイハングを取り扱っており、ほぼ完売状態です。今後は、秋冬用として、毛皮や厚手のウールなど絞めることができない素材に、この加工を応用した、新商品を出す計画です。また、来年はクルービズ対応商品として、ポケットに突っ込んでもクシャクシャにならないネクタイ(ポケットチーフにもなるネクタイ)を販売する予定です」
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